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船橋整形外科病院

医療法人社団 紺整会 船橋整形外科病院
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2026年5月新病院開院
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ふなせいコラム:スポーツ豆知識

拡散型衝撃波(圧力波)を用いた足底腱膜炎治療について

当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。   はじめに こちらのコラムでは、拡散型衝撃波(圧力波)を用いた足底腱膜炎治療について理学療法士が解説いたします。   〜目次〜 1.足底腱膜炎とは? 2.拡散型衝撃波(圧力波)とは 3.治療の流れとリハビリテーションについて 4.さいごに(引用)   1.足底腱膜炎とは?  足の裏には、「足底腱膜(そくていけんまく)」という、かかとの骨から足の指の付け根まで伸びる膜状の組織があります。足底腱膜は足のアーチ(土踏まず)を支えて、衝撃を吸収して、足を安定させる役割があります。足底腱膜炎とは、足底腱膜のかかと側の付着部で炎症が起きて、痛みを生じた状態をいいます。主に荷重時の痛みであり、起床時の最初の1歩が最も痛いと訴えられる患者様が多いのも特徴です。足底腱膜炎は40~60代の方、高体重、ランニングなどで足に負担がかかりやすい方、扁平足傾向(足の土踏まずが潰れてしまっている状態)、足関節の柔軟性低下などが発症のリスク因子とされています1)2)3)。患部へ負担がかかり続けると、足底腱膜が分厚く変性(肥厚)、骨のトゲ(骨棘)の発生、腱内部の異常血管の侵入や痛みを知覚するための神経線維の過剰な増加などの変化が起こり、痛みの改善までに時間がかかる場合があります。(図1,2)。   図1 踵の骨(踵骨)に骨のトゲ(骨棘)が見られるレントゲン画像   図2 足底腱膜の変性が見られるMRI画像   2.拡散型衝撃波(圧力波)とは  近年、中々治らない足底筋膜炎の治療に体外衝撃波療法が効果的であることが科学的に実証されています。体外衝撃波には腱内部の過剰に増加した異常血管や神経線維を破壊し、肥厚、変性した足底腱膜を修復させる作用があります4)。体外衝撃波療法は主に集束型衝撃波と拡散型衝撃波(圧力波)に分けられ、当院では集束型衝撃波は医師により処方されており、6か月以上の保存療法(手術を行わないで進める治療法)に抵抗する難治性の足底腱膜炎に対しては保険適用となります。一方、圧力波による治療はリハビリ室にてリハビリスタッフが実施しています(図3)。当院においては、圧力波の治療費用は保険内のリハビリ費用に含まれます。   図3 拡散型衝撃波(圧力波)   3.治療の流れとリハビリテーションについて  医師により足底腱膜炎の診断が下りて、リハビリテーションが開始となります。まずは、担当する療法士が患部の状態を評価したのち、圧力波が適応であると判断した場合に実施します。照射はリハビリ通院に合わせて約週1回程度の照射を実施します。照射は2ステップを基本とします4)。ステップ1では痛みを生じている足底腱膜へ直接照射することによる腱の治療、ステップ2ではふくらはぎ全体への照射することによる柔軟性改善を目的に照射します(図4)。   図4 圧力波の照射   圧力波の治療と並行してリハビリテーションを実施します。リハビリテーションは足関節および足底腱膜の柔軟性改善や患部周囲の筋力強化などを実施します(図5)5)6)7)。圧力波とリハビリテーションを並行して実施することで、それぞれの治療を単独で行うよりもより高い治療効果が得られるとされています。   図5 リハビリテーションの具体例   4.さいごに  足底腱膜炎は10人に1人が生涯中に発症する可能性がある、比較的身近にある整形外科疾患です8)。発症初期では痛みはありつつも、今までと同様に日常生活を過ごすことが可能であるため痛みを我慢してしまうことも多いですが、足底腱膜自体が変性してしまうと難治性の足底腱膜炎に移行してしまい、治療にかかる期間が長くなってしまいます。踵骨周囲の痛みでお困りであるなら、重症化する前に一度当院の専門医を受診してみて下さい。   執筆:船橋理学診療部 宮坂 祐樹 監修医師:高橋 謙二   引用文献 1) Riddle DL, Pulisic M, Pidcoe P, Johnson RE. Risk factors for Plantar fasciitis: a matched case-control study. J Bone Joint Surg Am. 2003 May;85(5):872-7. doi: 10.2106/00004623-200305000-00015. Erratum in: J Bone Joint Surg Am. 2003 Jul;85-A(7):1338. 2) Prichasuk S, Subhadrabandhu T. The relationship of pes planus and calcaneal spur to plantar heel pain. Clin Orthop Relat Res. 1994 Sep;(306):192-6. 3) Taunton JE, Ryan MB, Clement DB, McKenzie DC, Lloyd-Smith DR, Zumbo BD. A retrospective case-control analysis of 2002 running injuries. Br J Sports Med. 2002 Apr;36(2):95-101.  4) 日本運動器SHOCK WAVE研究会:運動器の対外衝撃波治療マニュアル,熊井司監修,105-115,日本医事新報社,2022 5) Latt LD, Jaffe DE, Tang Y, Taljanovic MS. Evaluation and Treatment of Chronic Plantar Fasciitis. Foot Ankle Orthop. 2020 Feb 13;5(1):2473011419896763. 6) Digiovanni BF, Nawoczenski DA, Malay DP, Graci PA, Williams TT, Wilding GE, Baumhauer JF. Plantar fascia-specific stretching exercise improves outcomes in patients with chronic plantar fasciitis. A prospective clinical trial with two-year follow-up. J Bone Joint Surg Am. 2006 Aug;88(8):1775-81.  7) Rathleff MS, Mølgaard CM, Fredberg U, Kaalund S, Andersen KB, Jensen TT, Aaskov S, Olesen JL. High-load strength training improves outcome in patients with plantar fasciitis: A randomized controlled trial with 12-month follow-up. Scand J Med Sci Sports. 2015 Jun;25(3):e292-300.  8) Monteagudo M, de Albornoz PM, Gutierrez B, Tabuenca J, Álvarez I. Plantar fasciopathy: A current concepts review. EFORT Open Rev. 2018 Aug 29;3(8):485-493.  

ふなせいコラム:肩

ラグビー・アメフト選手における肩関節脱臼

当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。   本稿では、当院におけるにラグビー・アメフト選手における肩関節脱臼ついて紹介します。 (肩関節脱臼についての概要はこちらから)   〜目次〜 1.肩関節脱臼とは 2.ラグビー、アメリカンフットボールにおける肩関節脱臼 3.当院を受診したラグビー、アメリカンフットボール選手の傾向 4.肩関節脱臼の治療 5.具体的なリハビリテーション 6.さいごに(引用)   1.肩関節脱臼とは? 肩の脱臼とは、腕の骨(上腕骨【じょうわんこつ】)が、肩甲骨の受け皿(関節窩)から外れてしまった状態のことで、多くの場合、けがによって起きます(外傷性脱臼といいます)。 肩が脱臼した際に関節窩の周りにある関節唇がはがれて関節を支えている靭帯が弛みます。これをバンカート損傷と呼びます(図1)。このバンカート損傷の多くは自然には修復されず、関節の緩みを引き起こし脱臼・亜脱臼を繰り返します。これを反復性脱臼といいます。     2.ラグビー、アメリカンフットボールにおける肩関節脱臼  タックルを中心とした接触プレー、転倒による地面への肩の接触や手をついた際に起きることが多い怪我です。1) 2)肩関節脱臼は受傷すると競技ができない期間が長く、反復性脱臼となりやすい厄介な怪我でとされています。3)4)5)6) 当院で2012年から2022年で肩関節脱臼の手術を受けた選手に対しての調査では、ラグビー選手では約60%、アメリカンフットボール選手では約80%の選手がタックルで受傷しています。また、ラグビー選手ではポジションでの大きな違いはありませんが、アメリカンフットボール選手では競技ルール上タックルを行うのがディフェンス時のみであるため、ディフェンスポジションの選手に受傷が集中する傾向があります。   3.当院を受診したラグビー、アメリカンフットボール選手の傾向  2012年8月から2024年8月までに当院を受診したラグビー、アメリカンフットボール選手の怪我の部位の内訳となります。肩関節周囲の怪我で当院の上肢グループ医師の診察を受けている選手が多いのが当院の特色です(図2,3)。 4.肩関節脱臼の治療  手術をして復帰を目指す方法と、手術しないで復帰を目指す方法の2つがあります。 まずは手術を行う方法について説明します。ラグビー、アメリカンフットボール選手では初回脱臼の時点で手術療法を選択することがあります。当院では鏡視下バンカート修復術に加え関節損傷の程度によりいくつかの補強を加えています(以前のふなせいコラムを参照ください)。手術後のリハビリテーションの流れは、術後3~4週間は患部の保護のため装具を着用します。装具が取れた後、手術後3か月までは関節の可動域の回復を主に行います。術後3か月以降に肩関節を含めた上半身筋力トレーニングを再開して、術後4か月でタックルダミーや動いていない相手へのコンタクト練習を再開します。術後5カ月からリアクションする相手へのコンタクト練習を再開し、術後6か月での競技完全復帰を目標に進めます。 次に、手術しないで復帰を目指す方法について説明します。手術をすると復帰までには約半年の期間が必要となるため、学生選手などで、手術では最後の大会までに復帰が間に合わない場合や、肩関節に骨端線(こどもの骨の末端で、新しい骨組織を作り出して骨を伸ばす成長線)が残っている成長期の選手7)、手術を希望しない選手などは、リハビリテーションでの復帰を目指します。リハビリテーション期間は約3か月となります。リハビリテーション開始から約1か月半までは可動域の回復および筋力の回復を目指します。1か月半~2か月でタックルダミーや動いていない相手へのコンタクト練習、2カ月半でリアクションする相手へのコンタクト練習を再開して3か月での復帰を目指します。   5.具体的なリハビリテーション  再脱臼を予防するために非常に重要なポイントは多くの選手における受傷原因となるコンタクト動作(主にタックル動作、アメリカンフットボールではタックル動作に加えてブロック動作)に対して対策を立てることになります。危険なタックル動作では、腕だけでタックルしてしまうタックル(アームタックル)がよく言われています(図4)。1) 8)また、衝突する接点には約2000N、約204kgfで、瞬間的に約200kgの負荷がかかります。9)選手の体格や競技レベルで左右されますが、接触点が上腕側にずれるほど肩関節にかかる負担は倍増します(図4)。    当院のリハビリテーションでは、タックル動作を接触する前、接触した瞬間、接触後で分けて考えます。10)11)それぞれでポイントとなるテクニックがあり(図5~9)、それらがほぼ無意識のレベルでできるように反復します。12)13)14)テクニック改善のために必要な体の機能は、肩関節にとどまらず全身、特に体幹・下半身の筋力に影響されます。         6.さいごに  ラグビー、アメリカンフットボール選手における肩関節脱臼は一度受傷してしまうと競技に大きな制限をかけてしまう怪我です。当院では肩関節脱臼の手術とその後のリハビリテーションも多く手掛けています。また、個々の選手の事情で手術が出来ない場合もリハビリテーションで症状をコントロールできるようにサポートしていきます。全例ではありませんが、両肩が反復性脱臼となった選手がリハビリテーションを開始してそれ以降は脱臼せずにプレーが出来ている事例もあります。肩関節脱臼で困っているのであれば当院の専門医をぜひ受診して下さい。   執筆:船橋理学診療部 宮坂 祐樹 監修医師:高橋 憲正   引用文献 1) Crichton J et al. Mechanisms of traumatic shoulder injury in elite rugby players. Br J Sports Med. 2012 Jun;46(7):538-42. 2) Montgomery C et al. Video analysis of shoulder dislocations in rugby: insights into the dislocating mechanisms. Am J Sports Med. 2019;47(14):3469-3475. 3) Usman J et al. Shoulder injuries in elite rugby union football matches: Epidemiology and mechanisms. J Sci Med Sport. 2015;18(5):529-33. 4) Headey J et al. The epidemiology of shoulder injuries in English professional rugby union. Am J Sports Med. 2007;35(9):1537-43. 5) Kawasaki T et al. Incidence of and risk factors for traumatic anterior shoulder dislocation: an epidemiologic study in high-school rugby players. J Shoulder Elbow Surg. 2014;23(11):1624-30. 6) Leclere LE et al. Shoulder instability in professional football players. Sports Health. 2013;5(5):455-7. 7) Li X et al. Management of Shoulder Instability in the Skeletally Immature Patient. J Am Acad Orthop Surg. 2013;21(9):529-37. 8) Maki N, Kawasaki T, Mochizuki T, Ota C, Yoneda T, Urayama S, Kaneko K. Video Analysis of Primary Shoulder Dislocations in Rugby Tackles. Orthop J Sports Med. 2017;29;5(6):2325967117712951 9) Usman J et al. An investigation of shoulder forces in active shoulder tackles in rugby union football. J Sci Med Sport. 2011;14(6):547-52. 10) Burger N et al. Tackle technique and tackle-related injuries in high-level South African Rugby Union under-18 players: real-match video analysis. Br J Sports Med. 2016;50(15):932-8. 11)Hendricks S et al. Tackler characteristics associated with tackle performance in rugby union. Eur J Sport Sci. 2014;14(8):753-62. 12) Posthumus M et al. BokSmart: Safe and effective techniques in rugby union. S Afr J Sports Med.2008;20(3):64-69 13) Kawasaki T et al. Kinematics of Rugby Tackling: A Pilot Study With 3-dimensional Motion Analysis. Am J Sports Med. 2018;46(10):2514-2520. 14) Horsley I, Herrington L, Hoyle R, Prescott E, Bellamy N. Do changes in hand grip strength correlate with shoulder rotator cuff function? Shoulder Elbow. 2016;8(2):124-9.  

ふなせいコラム:腰

腰椎分離症のリハビリテーションについて

当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。   当院では、成長期のスポーツ選手に多い腰椎分離症に対して、病期(患部の状態:超早期・初期・進行期・終末期)を医師が診断し、受傷後早期から病期に合わせたリハビリテーションを実施しています。 腰椎分離症についてはこちら   〜目次〜 1. 明確な目標に向かってリハビリテーションを実施します 2. 痛みの改善のために患部の保護を最優先に 3. 負担の少ない方法で股関節周囲の柔軟性を改善 4. インナーユニットを鍛える体幹安定化運動 5. 腰を反りすぎ・ひねりすぎない動作の獲得 6. 腰椎分離症に対する当院での治療実績 7. さいごに   リハビリテーションは、患部の治癒および保護を最優先する時期からスポーツ復帰までを StepⅠ〜StepⅣに分け、医師の指示のもとで段階的に進めていきます。 StepⅠ(開始〜1か月):患部を保護しながら柔軟性を改善し、体幹安定化運動を開始します。 StepⅡ(1〜3か月):患部を保護しつつ、運動範囲と強度を徐々に高めます。 StepⅢ:スポーツ復帰を見据え、全身の機能向上を図ります。 StepⅣ:競技特性に合わせてパフォーマンス向上と再発予防を目指します。   *当院における病期ごとの治療スケジュール1):拡大してご覧ください。   1.明確な目標に向かってリハビリテーションを実施します より安全で確実なスポーツ復帰のため、Stepごとに明確な目標を設定しています。 StepⅠ:日常生活における痛みの改善、股関節周囲筋の柔軟性改善、体幹機能の向上 StepⅡ:良好な体幹姿勢を保ちながら股関節を動かせること StepⅢ:適切なスクワットポジションを保持でき、外力に対しても姿勢を崩さない体幹機能の獲得 StepⅣ:競技特性を考慮した再発予防       2.痛みの改善のために患部の保護を最優先に リハビリテーション開始から1か月間のStepⅠでは、痛みの改善を最優先とします。 超早期は軟性コルセット、初期〜進行期は硬性コルセットを基本的に入浴時以外は常時着用し、日常生活での負担から患部を保護します。 特に「反る」「ひねる」など痛みを誘発する動作は控えていただきます。 しっかりと安静を保つことで、発症後1か月以内に腰痛が改善することが多いといわれています(骨癒合はさらに後になります)。 スポーツ復帰時期には、硬性コルセットから軟性コルセットへ切り替え、動きを伴う中でも患部を保護しながら段階的に復帰を進めていきます。 医師の処方のもと、専門の装具業者に依頼をしてオーダーメイドの医療用装具を作成します。骨折の所見がある場合は、ほぼ終日着用して患部を保護し、骨癒合を目指します。   3.負担の少ない方法で股関節周囲の柔軟性を改善 腰椎分離症は、身体を反る・ひねる動作によって腰椎に繰り返し負担がかかることで発症します。 本来、腰椎は大きく反ったりひねったりする構造ではなく、その多くの動きは腰の下にある股関節が担っています。 股関節の可動性が低下すると腰への負担が増し、腰椎分離症の発症や悪化につながることが分かっています2)。 そのため、痛みの出ない範囲で股関節周囲の筋肉をストレッチングし、患部への負担軽減と再発予防を図ります。   *腰椎分離症リハビリテーションのセルフストレッチング ジャックナイフストレッチング ハムストリングスストレッチング   (骨が未成熟な学童期ではジャックナイフストレッチングの代わりに行います) 大腿四頭筋ストレッチング 腸腰筋ストレッチング   4.インナーユニットを鍛える体幹安定化運動 体の深部には「インナーユニット」と呼ばれる筋肉群があります。代表的なものは、お腹の奥にある腹横筋、背骨の近くにある多裂筋、骨盤の底にある骨盤底筋群、そして横隔膜です。これらが協調して働くことで腰椎を安定させ、痛みの改善や動作の向上につながることが報告されています3)4)。 痛みの出ない範囲で体幹安定化運動を行い、腰部の安定性を高めていきます。徐々に負荷を上げることで、スポーツ時にかかるストレスに耐えられる体づくりを目指します。   *腰椎分離症リハビリテーションのセルフエクササイズ コア Lv.Ⅰ:ドローイン コア Lv.Ⅱ:ニーベントアウト 四つ這い上肢挙上 プランク   5.腰を反りすぎ・ひねりすぎない動作の獲得 スポーツ復帰後の再発予防には、腰に過度な負担をかけない体の使い方を習得することが重要です。 柔軟性と体幹機能が向上した状態で、スクワットやランジなど基本的な動作を通じ、走る・跳ぶ・投げる・スイングするなどの動作に通じる正しいフォームを身につけます。   *腰椎分離症リハビリテーションのセルフエクササイズ ランジ オーバーヘッドスクワット   これらの運動を、担当療法士が患者様一人ひとりの状態に合わせて指導し、主にご自宅で実施していただきます。 来院時には、腰に負担の少ない方法で動作のチェックやストレッチング・エクササイズ、トレーナーによる運動指導など、必要に応じたリハビリテーションを行っています。 誤った方法で行うと症状が悪化する可能性もあるため、腰痛のある方は一度診察を受けたうえで治療を受けることをお勧めします。   6.腰椎分離症に対する当院での治療実績 病期が超早期の方は1.8~3.2か月で骨癒合し、骨癒合率75~100%。初期の方は3.2~5.1か月で骨癒合し、骨癒合率42~92.6%。進行期の方は4.3~8か月で骨癒合し、骨癒合率10~83.3%でした5)。 *病期別の骨癒合率5)   病期について詳しくはこちら   7.さいごに 今回は、腰椎分離症の患者様に対するリハビリテーションについて解説しました。 当院では、痛みの改善と患部への負担軽減を目的に、コルセットで患部を保護している期間からリハビリテーションを開始します。 療法士が患者様一人ひとりに合わせたプログラムを作成し、来院のたびに調整を加えながら、安全かつ確実なスポーツ復帰を目指しています。   執筆:船橋理学診療部  監修医師: 畠山健次   引用文献 1)畠山健次ら.分離部の骨癒合を目的とした装具療法と運動療法.関節外科.2024; 43(5): 543-549. 2)Teichmann, J., Burchardt, H., Tan, R., & Healy, P. (2021). Hip Mobility and Flexibility for Track and Field Athletes. Advances in Physical Education, 11, 221–231. 3)Lilima Patel et al. (2024). Effect of 4 weeks core stabilization exercise on muscle activity, range of motion and function in Lumbar Spondylosis. Fizjoterapia Polska, 24(5), 445–450. 4)Kini, R., & Rangwala, Z. (2020). Combined role of core muscle activation and pilates on reformer in a geriatric patient with degenerative lumbar spondylosis and L4-L5 prolapsed intervertebral disc. 5)畠山健次.骨癒合を目的とした装具療法と運動療法.臨床スポーツ医学.2019; 36: 1114-1115.  

ふなせいコラム:膝

人工膝関節全置換術後のリハビリテーション

本稿では、当院における人工膝関節全置換術後のリハビリテーションについて紹介します。 (人工膝関節全置換術の手術についての概要はこちらから)   当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。     目次 1. 人工膝関節全置換術とは?手術の概要と目的 2. 術後リハビリテーションの目的と重要性 3. 入院リハビリテーションスケジュール 4. 当院のリハビリテーションの特徴 5. さいごに   1. 人工膝関節全置換術とは?手術の概要と目的  人工膝関節全置換術は、変形性膝関節症、関節リウマチ、大腿骨内顆骨壊死などによって膝関節が損傷・変形し、強い痛みや関節の動きの制限、不安定性が生じ、日常生活に支障をきたしている場合に行われる外科的治療法です。  『変形性膝関節症 診療ガイドライン2023』では、人工膝関節全置換術は膝関節の疼痛軽減、可動域および支持性の改善を通じて、日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)および生活の質(QOL:Quality of Life)の向上に有効であることが示されています1)。   2. 術後リハビリテーションの目的と重要性  術後のリハビリテーションは、人工膝関節の手術を受けたあとの膝の動きや筋力を回復させ、日常生活を安全かつ快適に送るために欠かせない取り組みです。具体的な目的と重要性は以下のとおりです。 1) 術後炎症症状の軽減  人工膝関節の手術を受けたあとには、膝の腫れ・熱感・赤みといった炎症の症状がよくみられます。これらは、痛みを強め、膝の動きを制限し、太ももの筋力を低下させるなど、回復を遅らせる要因となります。この炎症を早く落ち着かせるためには、手術直後からの軽い筋肉の収縮運動(図3)が効果的とされています。軽く筋肉を動かすことで、血液やリンパの流れが良くなり、炎症のもととなる物質の排出が促されます。  実際に、Loydらの研究では、手術後にみられる腫れ(腫脹)の程度が、6週後の筋力や歩行能力の回復に影響することが報告されています2)。また、Paravlicらの研究によると、炎症が落ち着いても筋力の回復には時間がかかり、最大の回復までに6か月以上を要するとされています3)。  そのため、術後早期に炎症を適切に抑え、痛みや腫れによる筋力低下を防ぎながら、軽い運動を安全に始めることが、長期的な回復を遅らせないための重要なポイントになります。  当院では、手術の翌日から安全に配慮した軽い運動を開始し、炎症を抑えながら体の回復を促すリハビリテーションを行っています。 図3. 大腿四頭筋セッティング(タオルつぶし)   2) 術後合併症の予防  人工膝関節の手術を受けたあとは、血のかたまり(血栓)ができてしまう「深部静脈血栓症」や、それが肺に移動して起こる「肺塞栓」、また「感染」や「関節が硬くなる(拘縮)」といった合併症が起こりやすくなります。こうした合併症を防ぐために、リハビリはとても大切です。特に、手術から24時間以内にリハビリを始めることが推奨されています4)。  早めに足の運動や歩行練習を行うことで血流がよくなり、血栓が生じるリスクを減らすことができます。また、肺に血液がたまらないようにし、呼吸のトラブルを防ぐことができます。実際に、世界的なリハビリのガイドラインでも、早期にリハビリを始めることが合併症の予防や回復の早さにつながると示されています4)。  当院では、安全に十分配慮したうえで、手術の翌日から軽い運動を少しずつ開始します。無理のない範囲で体を動かすことで、合併症を防ぎ、安心して回復できるようサポートしています。   3) 筋力および関節可動域の回復・維持  人工膝関節の手術のあとには、太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の力が一時的に弱まり、膝の曲げ伸ばしが制限されることがあります。これにより、歩くことや階段の上り下りが難しくなることがあります。そのため、早い時期からのリハビリテーションがとても大切です。特に、軽い負荷をかけて行う「筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)」を取り入れることで、筋力や関節の動きを取り戻しやすくなり、痛みの軽減や生活の質の向上につながることがわかっています。  こうした運動は、手術後12週間以内に開始することで、より高い効果が得られることが報告されています5)。手術後には一時的に筋力が低下しますが、リハビリテーションを継続することで筋力は徐々に回復することが報告されています6)。  当院では、術後早期から安全に配慮しながら、足のトレーニングや膝の曲げ伸ばしを段階的に行うプログラムを実施しています。筋力を強くしながら柔軟性も高め、スムーズに日常生活へ戻れるようサポートしています。  図4 膝関節に対するリハビリテーションの様子   図5. 膝曲げ伸ばし運動(セルフエクササイズ例)   4) 日常生活活動 (ADL) の再獲得と生活の質 (QOL) の向上  人工膝関節の手術を受けたあとには、歩く・立ち上がる・階段の上り下りといった動作が一時的に難しくなることがあります。これらの動作を少しずつ取り戻していくことは、安心して自立した生活を送るための大切なステップであり、生活の質(QOL)の向上にもつながります。リハビリテーションでは、痛みや関節のこわばりを抑えながら、動きの安定性や筋力を徐々に回復させ、日常の動作を一つひとつ取り戻していきます。研究でも、術後に行う運動療法が、数か月以内に歩行や階段昇降などの能力を改善し、生活の質を高める効果があることが示されています7, 8)。  当院では、入院中から患者様一人ひとりの回復の段階に合わせて、適切な運動や動作練習を行っています。また、退院後もご自宅で続けられる運動方法をお伝えし、日常生活での自立をサポートしています。体力や回復のペースには個人差がありますが、多くの方が手術から1週間ほどで基本的な動作を習得されています。 図6 階段昇降および床上動作練習の様子   3. 入院リハビリテーションスケジュール   4. 当院のリハビリテーションの特徴 ① 術前評価で備える  術前に身体機能を評価し、術後リハビリの目標を個別に設定。安心して手術に臨める準備を行います。 ② 翌日開始で防ぐ  翌日からリハビリを開始することで、血栓や筋力低下の予防、早期回復を目指します。 ③ 退院前に安心を  退院前教室を通じて、日常生活への復帰に必要な動作や注意点を確認。不安なく退院できるよう支援します。 ④ 退院後も支え続ける  退院後は外来リハビリで継続的にサポート。動作能力の維持・向上や日常生活への適応を一貫して支援します。 図7 退院前教室の様子   5. さいごに  人工膝関節の手術を受けた後のリハビリテーションは、機能回復だけでなく、快適な日常生活を取り戻すために重要なプロセスです。ご自身の身体の状態に合わせて、適切なサポートを受けることが回復への近道になります。膝関節の痛みや日常生活における膝関節可動域制限などでお困りの方は、一度診察にいらしてください。   執筆:病院理学診療部 北田和英 監修医師: 二宮太志   参考文献 1) 日本整形外科学会(監修). 変形性膝関節症 診療ガイドライン2023. 南江堂. 2023; 111. 2) Brian J Loyd et al. The relationship between lower extremity swelling, quadriceps strength, and functional performance following total knee arthroplasty.  Knee. 2019; 26: 382-391. 3) Armin H Paravlic et al. The Time Course of Quadriceps Strength Recovery After. Total Knee Arthroplasty Is Influenced by Body Mass Index, Sex, and Age of Patients: Systematic Review and Meta-Analysis. Front Med (Lausanne). 2022; 9: 865412. 4) Diane U Jette et al. Physical Therapist Management of Total Knee Arthroplasty. Phys Ther. 2020; 100: 1603–1631. 5) Jaehyun Lim et al. Effects of Resistance Training on Pain, Muscle Strength, and Function in Patients Undergoing Total Knee Arthroplasty: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 2025; 14: 4979. 6) Armin H Paravlic et al. The Time Course of Quadriceps Strength Recovery After. Total Knee Arthroplasty Is Influenced by Body Mass Index, Sex, and Age of Patients: Systematic Review and Meta-Analysis. Front Med (Lausanne). 2022; 9: 865412. 7) Kristin J Konnyu et al. Rehabilitation for Total Knee Arthroplasty: A Systematic. Review. Am J Phys Med Rehabil. 2022; 102: 19–33. 8) Takaya Watabe et al. Preoperative factors associated with failure to achieve the minimal clinically important difference in quality of life following total knee arthroplasty. BMC Geriatr. 2025; 25: 476.  

 
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